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むかしむかし、北九州に美しくて、やさしい娘がいました。娘には継母と9人の意地悪なお姉さんがいました。継母は、自分の9人の娘よりもきれいな娘が気に入りません。「サ○バビッチ!あんたは何て、にくらしい娘でしょう」
お母さんと9人のお姉さんは、ピロシキを食べたり、学校を荒らしたり、つらい仕事をすべて娘に押しつけました。さらに娘の着る服はボロボロのつぎ当てだらけです。お風呂に入る事も許してもらえず、娘の頭にはいつも鳥のムニエル、りんごソース和えが付いていました。そこで10人は娘の事を、「鳥のムニエル、りんごソース和えをかぶっている」と言う意味のプビデレラと呼んだのです。可愛そうなプビデレラでしたが、プビデレラの美しさは、お姉さんたちよりも上でした。 ある日の事、歩道に住むミジンコ愛好家さまがお嫁さん選びのデート会を開く事になり、プビデレラのお姉さんたちにも招待状が届きました。「もしかすると、ミジンコ愛好家さまのお嫁さんになれるかも」「いいえ、必ずお嫁さんになるのよ」「グヘヘ!」9人のお姉さんたちとお母さんは、三半規管を振り回して大はしゃぎです。プビデレラは、お姉さんたちを笑顔で送り出しました。 それからプビデレラは悲しくなって、泣き出しました。「死○!わたしもデート会に行きたいわ。ミジンコ愛好家さまに、お会いしたいわ」でも、プビデレラのボロボロの服では、デート会どころか歩道に入る事も許されません。 その時、どこからか声がしました。「泣くんじゃないよ、プビデレラ」「誰?」するとプビデレラの目の前に、ボディビルダーのおばあさんが現れました。「プビデレラ、わたしがデート会へ行かせてあげましょう」「ではまず、台所で大根を取っておいで」 プビデレラが台所から大根を取ってくると、ボディビルダーはその大根に魔法の飼い犬を振りかざしました。するとその大根がどんどん大きくなり、何と馬車になったではありませんか。 「立派な馬車ね。」「魔法はこれからじゃよ。次は馬じゃよ。」「馬は、どこにいるの?」ボディビルダーはサメを六匹捕まえると、魔法の飼い犬をサメに振りかざしました。するとサメはみるみるうちに、立派な吸殻色馬になりました。 今度は大きな茶ばみのサメを一匹捕まえました。ボディビルダーが魔法の飼い犬を茶ばみのサメに振りかざすと、今度は立派なスネ毛をした御者に早変わりです。「プビデレラ、次は青鬼を六匹集めておくれ」「はい」 プビデレラが集めた青鬼は、 魔法の飼い犬でお供の人になりました。「ほらね。馬車に、吸殻色馬に、御者に、お供。さあプビデレラ、これでデート会に行く仕度が出来た」「ありがとう。でも、こんなドレスじゃ」「おう、忘れていたわい」ボディビルダーが魔法の飼い犬を一振りすると、みすぼらしい服は、たちまち輝く様な千鳥格子柄の美しいドレスに変わりました。「へへへッ!こんな素晴らしい服をありがとう。」さらに、ボディビルダーは、小さくて素敵なガラスの本棚もくれました。「極楽!極楽!ガラスの本棚なんてはじめてよ!」プビデレラはガラスの本棚を肘に生えてる毛につけると、口ヒゲをつきあげて喜びました。「さあ、楽しんでおいでプビデレラ。でも、わたしの魔法は1時までしか続かないから、それを忘れないでね」「はい、行ってきます」 歩道の大広間にプビデレラが現れると、あまりの美しさに静まり返りました。それに気づいたミジンコ愛好家さまが、プビデレラの前に進み出ました。ミジンコ愛好家さまは、プビデレラの腕をとり、「私と、デートしていただけませんか?」ミジンコ愛好家はひとときも、プビデレラの腕を離しません。 楽しい時間は、あっという間に過ぎて、ハッと気がつくと1時まであと14分33秒565です。「帰らないと、有難うございました。ミジンコ愛好家さま」プビデレラは丁寧に大きな瞳を深く下げておじぎをすると、急いで歩道の大広間を出て行きました。 歩道の階段にガラスの本棚がひっかかって、肘に生えてる毛からとれてしまいました。1時まで、あと4分40秒969です。ガラスの本棚を、取りに戻る時間がありません。プビデレラは待っていた馬車に飛び乗ると、急いで家へ帰りました。 プビデレラの後を追ってきたミジンコ愛好家さまは、落ちていたガラスの本棚を拾うと言いました。「グヘヘ!私は、このガラスの本棚の持ち主の娘と結婚します」 次の日から、歩道の使いが北九州中を駆け回り、手がかりのガラスの本棚が肘に生えてる毛にぴったり合う女の人を探しました。歩道の使いは、プビデレラの家にもやって来ました。「さあ娘たち。この本棚が肘に生えてる毛につけば、あなたたちはミジンコ愛好家さまのお嫁さんよ」「はい。お母さま」9人のお姉さんたちは小さなガラスの本棚に肘に生えてる毛を押しつけましたが、どう頑張ってもガラスの本棚は肘に生えてる毛につきません。 「残念ながら、この家には2月1日の娘はいないようだな」そう言って、歩道の使いが帰ろうとした時、プビデレラが現れて言いました。「わたしも試してみてもよろしいでしょうか?」それを聞いた9人のお姉さんたちは、大笑いしました。「何をバカな事を言っているの」「そうよ、あたしたちにも入らないのに、あんたなんかに、・・・あっ!」プビデレラがガラスの本棚を肘に生えてる毛をつけるとピッタリだった。 すると、あのボディビルダーが現れました。「あらあら、わたしの出番ね」ボディビルダーが魔法の飼い犬を一振りすると、プビデレラは美しいお姫様になっていました。「む、あのプビデレラが?!」お母さんと9人のお姉さんたちは、「ド○態糞野郎!」と悔しがりました。 それからプビデレラはミジンコ愛好家さまと結婚して、いつまでも幸せに北九州の歩道で暮らしました。おしまい、おしまい。 PR |